私の場合は薄毛がずっと悩みでした。何かおかしいと気づき始めたのは20代半ばの頃からだったと思います。
私は会社員ですが、確か入社後5、6年後にある研修があり、研修所に宿泊しました。
そのとき、同期の仲間とくらべて自分は髪の具合が何か違うなと感じたのです。
ドライヤーとクシを使って彼と同じようにセットしようとしても頭頂部から少し後ろの髪が何故かうまくまとまらず「おかしいな」と。
ただ、もっともその時は「はげが始まった」という意識はなく「何かおかしい」という範囲でした。
その後、髪が年々少なくなっていきました。
今から思うと同じペースで減っていったというより年が経つにつれ減り方の度合いが加速していったように思います。
そういえば、「薄毛は意識し始めると一層進行する」といったことを聞いたことがあります。
ちなみに父親ははげていました。いわゆる典型的な男性型脱毛症のスタイルです。おでこから頭頂部の少し後ろ側までがつるんとした状態です。
私は多感な年頃で、元々繊細なハートの持ち主でもあったので「これから自分ははげてしまうのか」という強迫観念には本当に苦しみました。
独身で、特定の彼女もいなかったのでその強迫観念は「結婚できるのだろうか」というプレッシャーにも直結していました。
これらの精神的な逼迫感が増す速度も、髪が減るにつれ加速していくようでした。
育毛剤の類は実に色々なものを試しました。40代になって、有名な@@@@や〇〇〇〇も試しました。
しかしながら、自分の場合はですが、いずれもこれといった改善は見られなかったのです。
頭皮をマッサージしてみたり、叩きもしました。数日すると頭皮が痛くて触れなくなったこともありました。
あと、いわゆる育毛サロンに数年通ったことがあります。誰にも知られないようこっそり通いました。
また、某化粧品メーカーのモニターになったことがあります。
そのメーカーが作った育毛剤や育毛シャンプーを実際に使い、2ヶ月程に1度メーカーまで出向きます。
そこに行くと、頭皮の状況の変化を確認されるのです。なお、このとき私は大阪在住。メーカーは名古屋にありました。大阪から名古屋まで交通費は自腹で往復していました。
振り返ると、本当に多くのお金や時間、エネルギーを費やしたものだと思いますが、正にそれだけ深刻な問題だったのです。
ちなみに髪型ですが、30前後の頃にはベリーショートにしていました。
ベリーショートにすることで、「髪が少ないから(頭が)黒くないのではなく、髪が短いから黒くないんだ」と暗に外にアピールしていたのでしょう。
自分としては髪を長く伸ばして隠すといった選択肢は考えられずベリーショート以外あり得ないという絶対的なこだわりがありました。
30代から40代になり、精神的な逼迫感、深刻度合いは一層大きくなりました。薄毛度合いは加速度的に進行。
薄くなればなるほど髪はより短くせねばなりません(髪が短いから黒くないんだ‥)。
短く保つためには頻繁に切る必要があります。私は「月1回きちんと来る客」として理髪店から喜ばれていたようですが、月1回より頻繁なにはさすがに行き辛くなってきました。
私は丸刈り用のバリカンを購入し、自宅の風呂場にビニルシートを敷いて自分で散髪するようになりました。
当初バリカンをあてる周期は20日位でした。間もなく(数ヶ月位で)2週間になりました。
そうして私は2012年の秋、スキンヘッドになりました。
長くなってしまいました。
とにかく、薄毛による様々な葛藤や苦しみは、お金や時間だけでなく実に膨大なエネルギーを消費させてきたものです。
読んでくださりありがとうございます。