橋から落ちて岩にはりつきセンジンの谷底に落ちることなく助かったが同級生は死亡

自分の体験で現在までに一番、生と死に直面した出来事について書いてみます。この出来事は小学生の頃のことで、今から60年近く前のことになります。

 

当時は自宅から小学校まで歩いて一時間ほどの通学路を通っていました。山道ではありましたが、自動車もどうにか通れるような、しかし、舗装はされていない道でした。

 

普段は仲好三人組って言うか、気の合う友達三人と一緒に下校して家路につくことが多かったのですが、この日はどう言う訳か、あまり相性のよくない同級生と一緒の帰り道になってました。

 

帰り道も自宅まで半分以上を過ぎてきたところに橋がかかってるんですが、この木製の橋のところでアクシデントが起こったのです。突然ゴーッと言うかザーッと言うか物凄い水の流れる音がして気を失ってしまいました。どれほどの時間が過ぎたのか、意識が戻った時には岩に張り付くように倒れていました。

 

上を見上げると滝のように水が流れています。さらに良く見ると橋がかかっているのが見えたので、やっと自分はあの橋から落ちたことに気がつきました。

 

あとで分かったのですが、張り付いていた岩場は、そこからさらに深い谷底になっていたのです。かろうじて岩に張り付くようにしてセンジンの谷底に落ちることなく助かったのですが、見上げる橋に戻ることができません。

 

どうにか岩場から横の雑木の中に移動することができたので、その場で途方にに暮れていたものです。誰もいません、助けてもらうこともできません。やがて夜の闇がせまってくるようになった時にガケにカズラを見つけたのです、このカズラに捕まって登れば上の橋に戻れるかもしれないと一本のカズラにすがりました。

 

この時でしょうか記憶は定かですが、背負っていたランドセルの中身が雑木の中に落ちてしまったようですが、これも後から分かったことです。運命を託した一本のカズラは切れなかったのでガケを登りきり、橋の上に戻ることができました。

 

私は体の一部を骨折していることも分かりませんでしたが、もう一人の同級生も一緒に橋から落ちたことも、もっともっと日にちが経過してから知ったのです。生と死の明暗を分けた出来事で、彼は亡くなりました。

 

どうして橋から落ちてしまうことになったのか、未だに原因は不明です。このことを思い出そうとするとただザーッと言う物凄い水の音が耳元に聞こえてくるだけでした。それ以上の記憶はどうしてもありません。

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